寒い日々が続いていますが、春の訪れを感じる出来事がありました。
2012年1月下旬、多摩動物公園内を歩いていると「ニャッニャニャニャ」と低い鳴き声が聞こえてきました。ヤマアカガエルの鳴き声です。
ヤマアカガエルは、名前の通り山地に多く生息するアカガエルで、園内にも生息しています。繁殖は1月下旬から3月ころにおこなわれ、地域によって1か月前後の差があります。粘着性がある寒天質に包まれた卵塊一つの中には、約1000〜2000個の卵が入っています。
産卵を終えたヤマアカガエルは、寒さの影響なのか再び休眠します(春眠)。卵は、池が凍ってしまうほど寒くなると死滅することもあるそうです。
昆虫園本館前の池には、2月〜3月ごろに卵塊やオタマジャクシが見られます。毎年、ヤマアカガエルかアズマヒキガエルのどちらかが産卵しに来ます。 ヤマアカガエルの卵塊は粒状の卵の集まりで、アズマヒキガエルの卵塊はひも状につらなっています。ここ2、3年はアズマヒキガエルが産卵に来ています。
今年は寒さのせいか、まだ産卵は見られませんが、どちらのカエルが産卵に来るでしょうか。昆虫園にお立ち寄りの際は、池の中をのぞいてみてください。
写真上:飼育個体のヤマアカガエル
写真下:ヤマアカガエルの卵
〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 杉田務〕
(2012年02月10日)
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