梅雨明けも少しずつ近づき、もう間もなく本格的な夏が訪れようとしています。さて、夏の初めの風物詩といえば七夕です。色とりどりの短冊に願いごとを書いて、笹の葉に飾りつけたことはみなさんもあるのではないでしょうか。
多摩動物公園昆虫生態園では、チョウのサナギを利用した七夕飾りを作りました。飾りつけたのは金色、銀色、薄緑色のサナギです。光にあたってキラキラと輝くようすはまるで宝石のようです。
あまりに綺麗なので「色を塗ったのではないか」「作り物ではないのか」との声が聞こえてきそうですが、もちろん本物です。幼虫からサナギなったものをそのまま使っています。
チョウのサナギといっても、種によって色も形も違うものです。今回の七夕飾りにはオオゴマダラ、アサギマダラ、ツマムラサキマダラ、スジグロカバマダラなどのチョウのサナギを見ていただく予定です。どのサナギがどのチョウなのか、解説のパネルを見ながらじっくり観察してみるのも面白いかもしれません。
七夕伝説ではカササギが天の川に橋をかけてくれて、織姫(織女星)と夏彦(彦星)が会うことができたといわれています。でも、もしかしたら2011年の七夕はサナギから羽化したチョウが天の川に橋をかけてくれるかもしれませんね。
なお東北地方の復興を祈念して、今年は仙台七夕まつりの飾りの一つ「吹き流し」も飾り付ける予定です。
展示は2011年7月2日(土)から7月7日(木)までを予定しています。期間限定ですのでお早めにごらんください。
〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 田中陽介・草野啓一〕
(2011年06月24日)
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