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フクロウ舎をリフォームしました
 └─2011/02/11

 多摩動物公園では現在、シロフクロウ、ワシミミズク、フクロウ、メンフクロウの4種のフクロウ類を飼育しています。フクロウ舎には、メンフクロウとシロフクロウを同居させたケージが2つ、ワシミミズクのケージが2つ、フクロウのケージが1つありましたが、このたびリフォームをおこないました。

 樹上性のメンフクロウと地上性のシロフクロウは生活域が異なるので同居させていたのですが、メンフクロウが餌を食べようと地面に近づくと、シロフクロウに追い払われることもあったため、別々に飼育することにしました。

 まず、フクロウ舎の向かいにあるダルマワシのケージにワシミミズクを同居させました。不安もありましたが、両種とも落ち着いており、トラブルもありません。ケージが広いので、ワシミミズクも安心して繁殖できるのではないかと期待しています。

 次に、空いたワシミミズクのケージのリフォームです。これまでシロフクロウのケージは屋根が金網製で、地面は水はけが悪く、台風や梅雨時には水浸しになってしまうほどでした。高い樹木のない北極圏周辺にくらすシロフクロウは、地上にいることが多い鳥です。地面に穴を掘って産卵するので、飼育する際は地面の状態が重要なのですが、多摩動物公園では繁殖期が梅雨時にあたり、せっかくの卵が水没する可能性がありました。また、寒冷地にくらすシロフクロウはカビに弱く、病気発生の予防も必要です。

 そこで、雨が入らないような屋根を設置し、水はけのよい砂をしくとともに、ケージ周辺の笹などを刈って風通しをよくしました。リフォーム後、各ケージにメンフクロウとシロフクロウを入れて引っ越し完了です。

 メンフクロウのケージには巣箱を設置したところ、いつも距離を置いて別の木にとまっていた2羽が、なかよく巣箱に入るところを確認しました。巣箱がよほど気に入ったのか、ほとんど出てきません。繁殖への期待が高まります!

 春に向かってシロフクロウもメンフクロウも繁殖シーズンを迎えます。リフォーム後のフクロウ舎で、元気なひなに出会えるかもしれません。ぜひ、新フクロウ舎におこしください。

写真上:シロフクロウの新ケージ
写真中:メンフクロウの新ケージ
写真下:巣箱から顔をみせているメンフクロウ

〔多摩動物公園南園飼育展示係 宇野なつみ〕

(2011年02月11日)



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