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多摩産ヤマアカガエル、すくすく成長中
 └─2010/06/11

 ヤマアカガエルは本州・四国・九州の主に山林に生息するカエルで、多摩動物公園内でも2月後半から、あちこちの池や動物舎の堀にたまった雨水などの中で卵塊を見ることができます。

 そのヤマアカガエルを多摩動物公園では3年前より飼育し始め、繁殖に取り組んでいます。日本産両生類の多くは近年、環境の変化などで生息数が減少傾向にあります。緑豊かな園内でヤマアカガエルは珍しい種類ではありませんが、一歩外に出ると他のカエル同様生息数が減っているようです。

 2008年と2009年は子ガエルをうまく育てられなかったり、卵塊の発生が進まなかったり、思うようにいきませんでしたが、2010年は産卵も順調に進み、オタマジャクシが成体になって上陸した後、なんとか2か月間飼育を続けています。

 子ガエルの成長には毎日たくさんの小昆虫が必要です。主にコオロギの幼虫を与えて育てていますが、このコオロギもカエルの成長に合わせ、いろいろな大きさのものを大量に用意しなければならず、なかなか手間がかかります。

 こちらの苦労を知ってか知らずか、日に日に大きくなっていく子ガエルたちですが、今年の冬を無事に越すまではまだまだ気が抜けません。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 牧村さよ子〕

(2010年06月11日)



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