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糞の中の宝石、ミドリツヤダイコクコガネ
 └─2008/12/26

 まずは、右の写真をごらんください。糞の中にうごめくのは、メタリックグリーンの宝石? じつは、ミドリツヤダイコクコガネ(Oxysternon conspicillatum) という名のコガネムシの一種です。

 体長は20mm前後で、全体に緑色の鈍い光沢があり、背面には黒いすじがあります。オスの頭部には上向きに1本のツノがあり、さらに前胸にも短いツノが2本出ています。メスにはツノがありません。

 今年(2008年)5月に展示したスカラベ↓と同じ糞虫です(ニュース)。

 ミドリツヤダイコクコガネは動物の糞(多摩動物公園ではスイギュウの糞)に集まり、これを食べていますが、砂に穴を掘り、その中に糞の塊を運び込む行動も見られます。日本のダイコクコガネは糞で「育児球」を作り、子育てをしますが、ミドリツヤダイコクコガネはペルーからやって来ました。

 ペルーといえば、多摩動物公園で飼育しているハキリアリもペルー産です。アメリカ大陸に棲むダイコクコガネのなかまにはは、美しい色彩のものや大きなツノをもつものが多く見られます。

 “糞の中の宝石”をごらんになりたい方は、多摩動物公園の昆虫園本館2階へどうぞおこしください!

写真上:ミドリツヤダイコクコガネのオス
写真下:雌雄が並んで糞を食べているようす
    (手前の個体がオス)

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 野村友宏〕

(2008年12月26日)



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