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ニホンコウノトリとトキ3種を韓国に移動
 └─2008/11/21

 鳥類の保全活動のために、2008年11月26日、多摩動物公園から韓国の大田動物園にニホンコウノトリとトキ3種、計17羽が出発することになりました。

 韓国に出発するのは、ニホンコウノトリ6羽(オス3、メス3)、ホオアカトキ5羽(オス2、メス3)、シロトキ4羽(オス2、メス2)、クロトキ2羽(オス1、メス1)。

 ニホンコウノトリは、東アジアの草原や湿地に生息する鳥で、日本でも明治以前はふつうに見られましたが、乱獲などによって野生個体はすがたを消しました。

 ホオアカトキは、モロッコなどの乾燥地でくらす鳥ですが、野生では絶滅。わずかな個体がスイスの動物園に移された後、繁殖しています。体は光沢のある黒色。くちばしと脚は赤。成長につれ、頭部の羽が抜け落ちるのが特徴です。

 シロトキは、アメリカ南東部から南米熱帯地域の湿地やマングローブ林に生息する鳥。数万羽もの大群を作ることもあります。脚とくちばしは赤みを帯びていますが、その他の部分は、翼端の黒い部分を除いて白色をしています。

 クロトキは、中国東部、東南アジア、インドに分布する鳥。水辺から乾燥地まで広く分布。体は白色ですが、くちばしと顔と脚は黒。成長とともに頭部の羽が抜け、黒い皮膚が裸出します。

 ニホンコウノトリは「ブリーディンローン」(繁殖を目的とした貸借契約)による貸付、その他の鳥類は寄贈です。いずれも国際的な保全活動の一環であり、希少動物の保全を目的としています。

 多摩動物公園は、1988年にニホンコウノトリの飼育下繁殖に日本で初めて成功。以来、繁殖を重ねています。トキ類についても、2008年10月末の時点で12種 203羽を飼育しています。豊岡市でのニホンコウノトリ野生復帰への協力、環境省によるトキ保護増殖事業への協力など、多摩動物公園の実績は高く評価されており、このたびの国際的保全活動への協力が実現することになりました。

 大田(テジョン)動物園は、韓国ではソウル大公園動物園につぐ規模の動物園です。オジロワシの飼育下繁殖に成功し、また、ノガンやトキの復元計画にも取り組んでいます。今後、大田動物園は、希少鳥類の野生復帰に意欲を見せており、繁殖を試みるとともに、環境保全教育に役立てる予定です。

テジョン動物園(韓国語)

(2008年11月21日)



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