多摩動物公園内にある
野生生物保全センターが中心となり、都立動物園・水族園の4園では、希少な野生生物を守るために、さまざまな取組みをおこなっています。このたび、野生生物保全センターによるアライグマをテーマとした講演会を開催します。
特定外来生物に指定されているアライグマは近年、東京都内でも確認されるようになり、さまざまな問題が起きています。講演会では、フィールドでアライグマの調査研究をおこなっている日本獣医生命科学大学の加藤卓也氏をお招きし、アライグマが国内に定着している現状や問題点とその対策、そして課題についてお話をしていただきます。
また、園内でおこなっている野生動物調査でも野生のアライグマが確認されており、両生類などへの影響が心配されています。園内での状況や両生類の保全の取組みについて、職員から報告します。ぜひご参加いただき、アライグマをとりまく問題について理解を深めていただけたらと思います。

野生のアライグマ
(撮影:加藤卓也氏)
日時 2019年3月10日(日) 13時30分~15時30分
場所 ウォッチングセンター内 動物ホール
対象 小学生以上(小学生は保護者同伴)
定員 200名 ※事前申込制(先着順)
参加費 無料(入園料も無料となります)
内容
◆講演1「アライグマとどう向き合うか」
加藤卓也 氏(日本獣医生命科学大学 講師)
【要旨】
昨年、アライグマが都心の街中に出没した騒動は、記憶に新しい方も多いことでしょう。アライグマは、メディアの影響により1980年代をピークに米国から大量に輸入され、一般家庭も含め各地で飼育されていました。これらの飼育個体が逃げ出したり、捨てられたりしたことによって、今では日本への定着に成功しています。環境省が2018年に示した分布調査では、約10年前に比べて3倍近くに広がったことがわかりました。
外来種であるアライグマは、日本に在来の野生生物を捕食するなどの影響が危惧されると同時に、すでに農作物の食害や家屋への侵入被害のように大きな損失も引き起こしています。さらに、人の生活圏へうまく適応しているので、最近では共通感染症を媒介するおそれも指摘されています。
広域的かつ多様化するアライグマの問題に対して、いま求められることは何でしょうか。アライグマの生態や各種の問題、対策の実際と課題から考えていきたいと思います。
【加藤氏プロフィール】
1982年東京生まれ。獣医師、博士(獣医学)。日本獣医生命科学大学獣医学部講師で、野生動物学研究室に所属。研究対象として、外来動物(とくにアライグマ)の生態や野生動物における共通感染症の問題に取り組む。
現在、日本野生動物医学会幹事、東京都外来鳥獣(アライグマ・ハクビシン)防除対策検討委員会委員、神奈川県アライグマ防除実施計画検討委員会委員、山梨県特定外来生物(アライグマ)対策検討会委員などを務める。
主な著書として『野生動物管理のためのフィールド調査法―哺乳類の痕跡判定からデータ解析まで―』(京都大学出版会、分担執筆、2015年)、『野生動物管理―理論と技術―増補版』(文永堂出版株式会社、分担執筆、2016年)がある。
◆講演2「多摩動物公園内におけるアライグマの出現状況と両生類の保全活動」
古橋保志(多摩動物公園 教育普及課 昆虫園飼育展示係)
応募方法
往復はがきまたはEメールで以下のとおりお申し込みください。
○往復はがき
往信面に参加希望者全員の氏名(ふりがな)・年齢、代表者の住所・氏名・電話番号を記入し、返信面に代表者の住所・氏名を明記のうえ、以下の宛先までお申し込みください。
【宛 先】〒191-0042 日野市程久保7-1-1
多摩動物公園「アライグマ講演会」係
【締 切】2019年3月8日(金)必着
※募集終了しました。
○Eメール
raccoon@tokyo-zoo.net宛に、件名を「アライグマ講演会参加希望」とし、本文に参加希望者全員の氏名(ふりがな)・年齢、代表者の住所・氏名・電話番号を記入してお送りください。
お申し込みの際は、@tokyo-zoo.netからのEメールを受信できるよう、迷惑メールフィルターやメールソフトを設定してください。特に携帯電話からお申し込みの方はご注意ください。
【締 切】2019年3月8日(金)送信分まで有効
※募集終了しました。
※お申込みの際ご提供いただいた個人情報は、当該イベントに関するご連絡のみに使用します。
また、データの保管や削除など、個人情報については厳重な管理をいたします。
※2月14日(木)から募集を開始し、先着順で受け付けます。
締切前に定員に達した場合は、多摩動物公園ホームページでお知らせします。
(2019年02月14日)
(2019年03月09日:募集終了を追記)