2010年7月27日、大島公園動物園のインフォメーションセンターで展示しているカラスヘビ(黒化型シマヘビ)が6卵、産卵しました。孵化を試みたところ、9月18日午後に卵から子ヘビの顔が出始め、9月19日に3頭が生まれました。
本土のシマヘビの場合、成体はクリーム色の体に黒い縞もようが縦に伸びているのに対して、赤ちゃんは体が赤褐色で縞もようが親と違って横に伸びます。しかし、カラスヘビは赤ちゃんも親も同じように全身真っ黒でした。
カラスヘビの成体は脱皮前になるとうっすらと黒い縦縞もようが見えてきます。赤ちゃんにももようが見えるのか期待しながら1週間後の脱皮まで観察し続けましたが、やはり真っ黒なままでした。
卵の殻にはナイフで切ったような切り跡が残っています。ヘビには手足がないのにどうやってこの切り跡を付けたのでしょう?
じつは生まれたばかりのヘビの吻端には、すごく小さな突起がついています。「卵歯」と呼ばれるこの突起をナイフのように使用い、卵殻を切って外に出たのです。卵歯は孵化2、3日後には取れてなくなってしまいます。卵歯はヘビのほかトカゲやカメの赤ちゃんにもあります。
現在赤ちゃんヘビは、卵殻、脱皮殻と一緒にインフォメーションセンターで展示しています。孵化2週間後の10月上旬に、初めて餌を与えるつもりでいます。
写真上:卵から出る瞬間
写真中:「卵歯」わかりますか?
写真下:孵化翌日のヘビ(体長約26センチ)と卵の殻(長径4センチ)
〔大島公園動物園 大賀幹夫〕
(2010年10月01日)
|