アオウミガメは葛西臨海水族園に訪れる子どもたちの人気者です。今まで、ウメイロモドキなどの群れが泳ぐ、東京の海エリアの38番「伊豆七島の海4」水槽で展示していました。
これまで「ウミガメはどこ?」と尋ねられることが多かったのですが、今回、水槽に出す前のウミガメの子どもたちを、見やすい場所に展示できるようになりました。水槽の上に出ている擬岩(人工の岩)の上に小さめの水槽を置き、いつでも見ていただけるようにしたのです。
アオウミガメは、じつはワシントン条約(絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引に関する条約)の対象種なので、商取引が禁止されているのはもちろん、譲渡や飼育には許可が必要です。葛西臨海水族園では、小笠原諸島の父島にある「小笠原海洋センター」というウミガメ保護機関から許可をいただき、一定期間借り受けて飼育展示しています。
海洋センターから水族園にやってくるアオウミガメの子どもは、卵から孵化して間もない個体なので、従来、大きな水槽で展示できるまで、お客さんには見えない裏側で育てなければなりませんでした。
でも、今回の改修の結果、小さな水槽に入った飼育途中の子ガメたちをお見せできるようになりました。葛西臨海水族園にお出での折りには、2頭の子ガメたちが元気に泳ぎながら育っていくすたがをぜひごらんください。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 江川紳一郎〕
(2008年05月30日)
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