食卓にものぼるタチウオの名前は、すがたが太刀(たち)に似ているからといわれますが、「立って泳ぐから」という説もあります。葛西臨海水族園で、タチウオのすがたを見てください。
右の写真で、背びれが発達しているのがわかるでしょうか。これを波打たせて、立ったまま泳ぎます。ななめになって泳いだり、ふつうの魚のように水平になって泳ぐこともあるようです。縦位置で泳いで、上方に近づいた魚などをガブリ!口には鋭い歯がそなわっています。
ふだんは 水深150メートルの大陸棚から内湾の浅場ににいて、朝夕に海面近くへ上昇。日々、上昇下降をくりかえします。
尾端はとがり、腹びれと尾びれはありません。うろこもなくて、きれいな銀白色をしています(ニュースページの写真では、水槽壁面の青色を反射して青っぽくみえます)。体表にある銀白色の物質は、模造真珠の原料ともなるそうです!
総菜魚でもあるタチウオの名は有名ですが、水族館ではあまりみかけません。じつは、運んだり飼ったりするのがむずかしいのです。うろこがないため、体が傷つきやすく、細菌に感染して死亡することも少なくありません。
葛西臨海水族園では2003年の12月から試験的に展示をつづけていましたが、研究の結果、安定した飼育が可能になりました。通年展示に向けて、第一歩をふみだしたところです。
展示場所は、水族園1階「深海の生物」コーナーです。
※オマケ──おととし(2002年)のニュースですが……。写真あり。デカイ。「
全長4.6メートルの巨大タチウオを捕獲──中国福建省」
(※2004年2月29日追記:↑この福建省の写真、ぜんぜんタチウオじゃないヨ!と葛西臨海水族園スタッフからツッコミが入りました。リュウグウノツカイやサケガシラが含まれる「フリソデウオのなかま」ではないか、とのこと。下記参照)
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国立科学博物館魚類研究室のデータベースより
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リュウグウノツカイ
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サケガシラ