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水族園でニホンイシガメ誕生──2006/05/26
 2006年5月17日、「水辺の自然」の「池沼」コーナーで、ニホンイシガメの子どもが初めて見つかりました。このコーナーでは、フナやタナゴのなかまなど、関東周辺の池や沼などで以前はふつうに見られた生き物を、自然を模した景観とともに展示しています。

 6年ほど前からニホンイシガメとクサガメの展示にとりくみ、カメが日光浴できる場所をつくり、外に出ないような柵も設けました。すると、カメが水槽の底を歩きまわったり、天気のよい日にはのんびりと日光浴したりするようすなどが見られるようになり、お客さんにとても喜ばれています。

 ニホンイシガメは、山のふもとの田んぼや池、沼、川などでくらしています。6~7月ごろ、かわいた土の中に6個ほど卵を産み、卵は2~3か月後に孵化します。這い出てくる子ガメの甲羅(こうら)の大きさは約 3.5センチ。今回見つかった子ガメは4センチです。去年生まれたのでしょう。この個体以外にも、さらに子ガメが見つかる可能性があります。

 ニホンイシガメの子どもはペットとして、「銭亀」(ゼニガメ)という名前で売られていましたが、最近はクサガメの子どもまでこの名前で出まわり、本物を見ることが少なくなりました。さらに近年、外来生物の「ミドリガメ」(ミシシッピアカミミガメの子ども)が大量に輸入され、子ガメというと、「ミドリガメ」を思い浮かべる方も多いことでしょう。

 見つかったニホンイシガメの子どもは、「池沼」コーナーの水槽で、イモリやミズスマシといっしょに展示しています。ぜひこの機会に、“日本の子ガメ”を見に来てください。同時に「水辺の自然」もじっくりとごらんください。身近な生き物がくらしていくために必要な環境とは、どんなものでしょうか。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 金原功〕

(2006年5月26日)



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