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チビダコ vs. オオダコ(マダコの戦い)──9/27
 約 200トンもあるこの「渚」の水槽に1個体しかマダコがいなかったころ、2個体目のタコを追加すると、前からいたタコがすぐに寄ってきて、8本の腕すべてをぐるぐるまわし、体の色をめまぐるしく変えるという、見たこともない行動をとりました。

 今回加えた3個体目のタコは小さめのチビダコ。水槽に入れると不安なようすで、そろりそろりと泳いで行きました。そのときです。もとからいる2個体のうち大型の1個体がチビダコに向かってきたのです。オオダコは「タコ踊り」をすることもなく、いきなりチビダコの上におおいかぶさりました。オオダコの下じきになって1本だけ見えるチビダコの腕はゆだったように赤く見えます。

 あわてて網でオオダコを追い払いました。岩のすきまに逃げこんだチビダコを追って、オオダコは腕を伸ばしてちょっかい出します。やがて取っ組み合いになり、8本+8本=16本の腕がからみあい、体の色がめまぐるしく変わります。あれよあれよという間にチビダコは後ろからはがいじめにされ、8本の腕はむりやり広げられてしまいました。オオダコにかみつくこともできません。勝負はつきました。結局、チビダコの身を案じてすくい出しました。

 まだまだ謎の多いタコ。これからもタコたちの行動が楽しみです。

〔葛西臨海水族園調査係 天野未知〕

(くわしくはメールマガジンZooExpressのNo.79 をどうぞ)



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