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この夏は「歯」の標本を作ってみよう!
 └─2012/08/24

 葛西臨海水族園では2012年8月1日から、夏の企画展「歯歯歯展──切って砕いてすりつぶす水生動物の歯の話」を開催しています。

 企画展では魚の歯を中心に、いろいろな生き物の歯について説明していますが、歯の標本は意外に簡単に作れます。

 ふだん、家庭の食事で何気なく食べている魚にも、いろいろな種類があります。マアジ、マサバ、イシガレイ、マダイ、サンマ、マイワシなどなど。

 そして、これらの魚の中であまり食べないところは、そう頭の部分です。捨ててしまうことが多いかもしれませんが、ちょっと待って! 少しくふうすれば、歯の標本として取りだすことができます。ただし、かなり煮込んだものや焼き魚などから「歯」を取りだすのは、ちょっと厳しいかもしれません。

 それではどんな方法があるのか? 煮たり焼いたりする前に、魚の頭をあらかじめ切り分け、バットなどに入れておきます。そして、歯の周りに少しずつ、60〜80℃のお湯をかけ、徐々に皮や肉を取り除いていきましょう。ヤケドをしないよう、お子さんは、大人の人と一緒に作業するようにしてください。

 細かいところは、楊枝や串、とげ抜き、ピンセットなどを使い分け、じょうずに取り除きましょう。

 どうしてもうまく取り除けなかった部分は、1つの方法として、入れ歯用洗浄剤を使います。40℃くらいで1晩も置けば、結構きれいに取れます。ただし、楽をしようと、手で肉を取らず、最初から入れ歯洗浄剤を入れてもあまり効果はありません。

 応用編として、仕上げに液体塩素系漂白剤の原液に30〜60秒くらい浸けると白さが増します。これもお子さんは、必ず大人の人と一緒におこなってください。手で直接さわらない、絶対に目に入れない、洋服に着けないよう注意してください。漂白剤に浸け過ぎると、細かい骨は溶けてしまうことがあるので注意しましょう。また、塩素ですから、流すときは水をかけながら薄めて下水へ流しましょう。

 さて、1晩ほど乾燥させたあと、できあがった歯の標本を飾りましょう。入れ物は、100円ショップなどで売っているフィギュア展示用ケースがぴったりです。標本とケースは接着剤などで固定し、玄関、勉強机の上、トイレなど好きなところへ飾りましょう。

 さらに、これらの作業をレポートにまとめ、夏休みの自由研究として活用するのはいかがでしょう。なお、企画展の会場には、歯の標本作りの方法をまとめたチラシがありますので、ぜひご利用下さい。

企画展のお知らせ(2012年07月12日)
企画展リポート(2012年08月10日)

写真上:歯の標本作り
写真中:マダイの歯
写真下:マダイの歯の展示

〔葛西臨海水族園教育普及係 杉野隆〕

(2012年08月24日) 



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