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アカクラゲを展示しました
 └─2012/08/03

 葛西臨海水族園の「東京の海」エリアで、2012年7月からアカクラゲの展示を始めました。このアカクラゲは、水族園では初めて「ポリプ」から「クラゲ」まで育てたものです。

 多くのクラゲは、海中を漂う時期と付着生活をする時期があります。付着生活をする時期はイソギンチャクに似た形をしていて、ポリプと呼ばれます。このポリプからエフィラというクラゲの子どもが遊離し、成長するとわたしたちのよく知る「クラゲ」の姿になります。

 展示しているアカクラゲは、2012年2月に新潟市水族館マリンピア日本海に分けていただいたポリプから、時間をかけて慎重に育ててきた個体です。アカクラゲは高温に弱いので、水温を14℃以下に保ちました。餌にはブラインシュリンプという動物プランクトンを与え、成長に合わせて生きたニホンイサザアミを混ぜて与えるといったくふうもしています。また、クラゲが水槽の底に沈まず、壁にもぶつからずに水槽内をゆっくりまわるよう水流の強さにも気を配りました。姿かたちや体の色がようやくアカクラゲらしくなったときには、ほっとしました。

 アカクラゲは春先から秋にかけて全国各地で見られます。傘にオレンジ色をした放射状の模様が入り、触手は長く、大変美しい姿をしていますが、じつは危険なクラゲです。ご存知の方も多いと思いますが、クラゲのなかまの多くは刺胞と呼ばれる毒針をもっていて、何かに触れると刺胞が刺さり毒が注射されます。アカクラゲの刺胞毒は強く、刺されるとかなり痛いそうです。死んで浜辺に打ち上げられたクラゲでも刺されることがありますので、注意が必要です。
 外に出るだけで汗がにじんでくるこの時期、海に出かける方も多いでしょう。海水浴や釣り、磯遊びなど、海は魅力がいっぱいですが、気をつけないといけない危険な生き物もいることを忘れないでください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 戸村奈実子〕

(2012年08月03日) 



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