葛西臨海水族園実験展示コーナーのトピック水槽に、「コモンスターゲイザー」を展示しました。スズキ目ミシマオコゼ科のなかまで、オーストラリアの西部から南部、ニュージーランドに生息しています。
コモンスターゲイザーは、分厚く平らな体をもち、頭がとても大きな魚です。大きな頭の真上には、眼がふたつと、眼の少し前に上を向いた口があります。海底で砂に潜り、突き出た眼を砂から出して餌を待ちます。獲物が近づくのを見つけると、真上に来るまで待ち伏せ、襲いかかります。眼や口が頭の上部にあるのは、真上にやってきた獲物を襲うときに便利なのでしょう。
水槽では、いつも底面でじっとしていて、あまり動きまわりません。待ち伏せで餌を獲る魚なので、無駄に動いたりはしないようです。
動きが少ない魚なので、餌は週に1回アジやイカの切り身を与えるだけです。ピンセットで餌を上から近づけると、跳ね上がるように食いつき、一瞬で食べてしまいます。口をよく見ると、たくさんの細かい歯が生えています。どれも内側を向いているため、噛み付いた獲物を確実に捕らえ、取り逃がすことはまずありません。
トピック水槽は、コモンスターゲイザーをすぐそばで観察できるようになっています。この魚の「狩り」のための眼と歯を見つけられますか?
写真:コモンスターゲイザー
〔葛西臨海水族園飼育展示係 木船崇司〕
(2012年05月25日)
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