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サンゴの間からこんにちは
 └─2011/07/22

 葛西臨海水族園世界の海エリアの「グレートバリアリーフ」水槽には、色とりどりの魚とたくさんのサンゴを展示しています。そのサンゴの間に隠れている魚がいるのはご存じですか?

 それは真っ赤な体に背中と目の後ろに黒いラインの入った「ベニゴンベ」と、茶色っぽい体に目の後ろのU字状のもようが特徴的な「メガネゴンベ」です。
 ちなみに、葛西臨海水族園のメガネゴンベは茶色っぽい色をしていますが、この魚は地域による体色の違いが知られています。

 ベニゴンベは比較的おとなしく、イボハダハナヤサイサンゴなどに隠れている魚ですが、メガネゴンベは枝状のサンゴの上に乗っていることが多く、驚くとすぐにサンゴの奥に隠れてしまいます。また、サンゴの上で周囲を警戒したり、泳いだり、見ていて飽きない魚です。

 ゴンベのなかまは、太平洋やインド洋、大西洋の温かい海に分布し、日本では14種が確認されています。岩礁域やサンゴ礁に生息している魚で、ベニゴンベやメガネゴンベのように、体色の美しいものは観賞魚として飼育されることもあります。

 上記のゴンベたちのようにサンゴ礁にはたくさんの生物がくらしていますが、それには様々な理由があります。危険な時に逃げ込んだり、夜の休息場所にしたり、サンゴにくっついている小動物を餌にしたり、サンゴそのものを食べてしまったりする生物もいます。ベニゴンベやメガネゴンベもサンゴを隠れ家とし、小さな生き物を食べながらくらしています。

 彼らのような物陰に隠れる生物は、短時間水槽を見ただけでは見つけられないことが多いのですが、水族園ではそのような生物も多く展示しています。サンゴの間だけでなく、岩の隙間や藻の間をじっくりとのぞいてみてください。今までになかった出会いや発見があるかもしれません。

写真上:ベニゴンベ
写真下:メガネゴンベ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 細谷有莉沙〕

(2011年07月22日)



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