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祝!世界自然遺産登録「小笠原現地レポート1」
 └─2011/07/01

 葛西臨海水族園では、「東京の海」エリアで小笠原の生物を展示しています。
 展示する生物を採集するため、まさしく今、小笠原の父島を訪れています。世界自然遺産への登録が決定した小笠原の海について、現地からご紹介します。

 小笠原の父島には二見湾という大きな湾があり、湾内の製氷海岸前では枝状サンゴの群落が見られます。群落を形成しているのは、ほとんどがミドリイシというサンゴのなかまです。直径2~3センチメートルくらいの棒状のサンゴが枝分かれして、複雑に入り組んだ立体的な環境を作り出しています。

 群落の周辺でスキューバダイビングをおこなうと、チョウチョウウオのなかまやスズメダイのなかま、ブダイのなかまなど、色鮮やかな魚がサンゴを覆うように泳いでいます。近づきすぎて、魚がサンゴの隙間へ逃げてしまうこともありましたが、小さな魚たちにとってサンゴは隠れ家としていかに重要かを実感することができました。

 この枝状サンゴの群落よりもさらに大きな群落が、港の堤防近くで見られます。この大群落はダイビングをしなくても、天候がよいときには、客船「おがさわら丸」の入港時や港の堤防の上からでも見ることができます。ここでは、ボートの上から甲長が1メートルを超えるようなアオウミガメも、数匹確認することができました。

 そのほかにも、今回の出張でこれまでに、小笠原を中心に分布するユウゼンやレンテンヤッコ、色鮮やかなウメイロモドキの群れ、小型のガラパゴスザメ、超大型のロウニンアジなど、とても魅力的な魚が多数見られました。

祝!世界自然遺産登録「小笠原現地レポート2」

写真上:ウメイロモドキ
写真中:サンゴの群落
写真下:ユウゼン

〔葛西臨海水族園飼育展示係 小木曽正造〕

(2011年07月01日)



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