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アマモ場をのぞいてみれば
 └─2011/06/03

 葛西臨海水族園東京の海エリアの2階「アマモ場の小さな生き物」水槽では、文字通りアマモ場にすむ小さな生き物を展示しています。
 水槽の中をのぞいてみると、マナマコやユビナガホンヤドガリのほかタツノオトシゴなどがいます。一見地味に見える水槽ですが、目が慣れるとさらにたくさんの生き物が見えてきます。水槽には、大人になっても体長2センチ程度にしかならないヒメイカや、アマモの葉に擬態したヨウジウオなどがいて、じつに賑やかです。

 アマモ場は、比較的浅い海にアマモという海草がたくさん茂った場所です。隠れられるところが多いので、小さな生き物たちがたくさんくらしています。また、大きな魚が入り込みにくいので、クロダイやメバルなど多くの魚が幼いころだけここで過ごし、成長に伴って離れていきます。そのため、アマモ場は「海のゆりかご」ともいわれ、小さな生き物が生きていくための大切な場所になっています。

 先日、この水槽に新たな生き物が加わりました。ウミナメクジです。「ナメクジ」という名がついていますが、庭先や植木鉢の下などで見られるあのナメクジとは違います。ウミナメクジは、カラフルな体色で種類も多いウミウシやアメフラシのなかまです。体の色は緑や茶のものがいますが、どれもアマモの葉の色にそっくりなので、ちょっと見ただけではわかりません。

 この水槽でぜひ小さな生き物たちを見つけてみてください。ただし、ウミナメクジを見つけるのはちょっと難しいですよ。目が慣れてきた方は、アマモに産み付けられたヒメイカの卵など、時期が限られたものに気づくことができるかもしれません。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 浅野晃良〕

(2011年06月03日)



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