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午後2時から咲くサジオモダカ
 └─2010/08/13

 サジオモダカは、水辺や湿地に生えるオモダカ科の植物で、さじ(スプーン)のような形の葉が特徴です。東京ではほとんど見られなくなってしまった植物で、東京都のレッドリスト(東京都の保護上重要な野生生物種)に掲載されています。

 サジオモダカの花は葉の根元から立ちあがる茎に咲き、小さく、うっすらとピンク色がかった白い色で、だいたい6月から10月にかけて、夏は毎日咲いています。ただし、葛西臨海水族園で花が開いているのは午後2時ころから夜間までの限られた時間帯です。

 ほかの場所で見たサジオモダカの花は午前11時ころに開き始めたところもあるので、この花がいつでも、どこでも決まった時間に咲く、というわけではないようです。

 同じく水辺で咲くヒツジグサ(スイレン科)は、ひつじの刻(午後2時ころ)に咲き始めることから、その名があると言われています(ただし、外国産のスイレンでは違う時間に咲きます)。同じ時間に咲くことは、同じような環境で咲く花として関連性があるのかも知れません。

 水族園の屋外に拡がる「水辺の自然」にある「湿地の生態」の水槽で見られます。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 荒井寛〕

(2010年08月13日)



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