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特設展示「タッチンフィーリン」のネコザメ
 └─2009/12/29

(2013年04月27日更新)
「ふれあいタイム」に水槽でさわれる魚は、アカエイとホシエイです。

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 葛西臨海水族園の「東京の海」エリアでは、2009年3月から特設展示「タッチンフィーリン」を開催しています(2014年1月中旬まで。お知らせはこちら。動画でのご紹介はこちら)。

 サメとエイに触れる「ひょうたん型」水槽(写真上)では現在、サメを2種類、エイを2種類展示していますが、この中にまるでトラのような顔をしたサメがいます。残念ながら名前は「ネコ」ザメですが、今回は「寅年」にちなみ、トラのような顔のネコザメをご紹介しましょう。

 ネコザメ目ネコザメ科に属すネコザメは、日本周辺の海域に分布し、成長すると体長1メートルを超えます。薄い茶色の体色に濃い茶色の縞が入っているのが特徴です(写真中)。

 ネコザメは海底を這うように泳ぎ、動きはゆっくりしています。そのため、動きのすばやい魚などを捕まえることができず、エビや貝、ウニなど、あまり動かない生物を食べます。これらは殻の硬い生物ばかりですが、ネコザメの口の奥には硬い物をかみ潰せるように変形した歯がついています(写真下)。大きなネコザメは、りっぱなサザエを食べることさえできるそうです。

 葛西臨海水族園では、ネコザメにイカやエビ、アサリなどを与えています。餌を見せると、ネコザメはゆっくり近づいてきます。そして、口の前に餌を差し出すと、噛みつくというより、吸い込むようにしてヒュッと飲み込みます。口の中に入れてから、奥の大きな歯で砕いているのでしょう。

 展示場の水槽では、生物が傷つかないように、指2本を使って体をなでるように触っていただいています。ネコザメは怖そうな顔をしていますが、じつはとてもおとなしい生き物です。こちらがいじめない限り、噛みついたり攻撃したりしてくることは絶対にありません。歯も鋭くなく、触るにはとても安全なサメです。むしろ、強く触るとネコザメの方が傷つき弱ってしまうので、やさしくなでるように触ってください。

 ちなみに、ネコザメの英名は Japanese bullhead shark です。無理やり訳すと、「日本の雄牛のような頭をしたサメ」という意味になります。少し苦しいですが、丑年から寅年へ、行く年来る年にふさわしい生物ということでご紹介しました。

写真上:特設展示「タッチンフィーリン」の水槽
写真中:ネコザメ
写真下:ネコザメの歯

・東京ズーネットBBの動画
 「特設展示『タッチンフィーリン』開催中!
  (2009年03月撮影)

〔葛西臨海水族園飼育展示係 木船崇司〕

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