ジャ~ン、冒頭からみなさんに質問です。「海の水の色は何色でしょう?」少し考えてから先を読んでください。
「紅海」(こうかい)は、ときどき藍藻(らんそう)と呼ばれるプランクトンが発生し、海を紅色に見せるそうです。「黄海」(こうかい)は、川から流れ込む泥が海を黄色っぽく見せるそうです。「黒海」(こっかい)は、硫化鉄が海水を黒く見せるという説と、藻類が黒く見せるという説があります。「夕焼け」は、海面で反射して海をオレンジ色に見せます。
このように、海はさまざまな「色の仮面」(?)をもっていますが、実際の海水の色って何色なのでしょう? ときどきお客さんに問いかけてみると、たいてい「青」と答えが返ってきます。
でも、海水を両手ですくってみたら、無色透明だった……なんて体験はありませんか? 海の水って本当に青いのでしょうか?
じつは、海水自体は無色透明で青くありません。小学校で「太陽の光は、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫といった七色がまざりあっている」って勉強しましたよね。そのうち、赤い色など、波長の長い光は海に入ると吸収されてしまいます。しかし、青色の光は海の中を進んで、さまざまな方向にちらばります。そして、海中の色々な物質に反射して海面に届き、その光が私たちの目に入ってくると海の水が青く見えるというわけです。
青く見える海も、こうして科学的に解き明かしてしまうと夢がなくなってしまいますので、これ以上深く考えることはやめましょう。そう、「白い色は恋人の色」「青い色は海の色」でも、まぁイイのでは?
葛西臨海水族園でもいろいろな照明を利用して、浅い海、深い海、サンゴ礁の海などを演出しています。そうした工夫は、「東京の海」エリアの階上にある「キャットウォーク」に行くとよく見ることができますので、ぜひお出でください。しかもそのときに飼育係員がいたらチャンス! 海の色について質問ぜめにしてみてください。
タイトルに「七色仮面」とつけましたが、1959年に放映されたテレビの特撮番組……いえ、生で見たほど古い人間ではありません、と書いておきましょう。
写真上:葛西臨海水族園のドームから東京湾を望む
写真下:キャットウォークから見る水槽
〔葛西臨海水族園飼育展示係 伊東二三夫〕
(2009年11月13日)
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