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西なぎさで成長する稚魚たち
 └─2009/08/07

 葛西臨海水族園「東京の海」エリア、2階のキャットウォークにある「葛西の海」水槽では、水族園の目の前に広がる人工の干潟「西なぎさ」の生物を展示しています。

 干潟は川の水と海の水が混ざった場所(汽水域)であり、潮の干満によって塩分や水温が常に変化するため、多くの生き物にとって、一見、厳しい環境のように思われます。

 しかし、西なぎさでは、季節によって異なった種類の生物がたくさん見られます。たとえば、ハゼやボラの稚魚、イサザアミなどは一年を通して見られます。また、サッパやコノシロの稚魚は夏、アユの稚魚は冬、というように、現われる時期が決まっているものもあります。

 このように、いろいろな魚の稚魚が干潟を重要な生活場所としています。なぜなら、潮の干満によって海水や底砂に酸素が供給されるため、干潟は魚の餌となる微生物が増えやすいからです。また、水深もあまりないので、大きな魚が入ってきません。魚の稚魚にとっては安心して成長できる場所なのです。

 今年(2009年)6月に西なぎさで行なった地曳網による生き物調査でも、さまざまな生物を採集しました。現在、その中からマハゼとボラを展示しています。

 水槽横の窓からは、西なぎさを見わたすことができます。「葛西の海」水槽で、たくましく成長していく小さな魚たちをぜひごらんください。

写真上:マハゼ
写真下:ボラ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 鈴木聡子〕

(2009年08月07日)



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