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水生昆虫の王様「タガメ」登場
 └─2009/07/31

 葛西臨海水族園淡水生物館の池沼水槽の隣には小さな水槽が3つあります。大きな水槽では観察しにくい生き物を、この水槽では間近で見られます。このたび、そのうち1つにあたらしくタガメを展示しました。

 タガメは日本最大の水生昆虫で、大きな個体は体長が6センチメートルを超えます。大きくて強力な前肢をもっていて、これで餌となる生き物を捕らえます。魚やカエルなど、自分よりも大きな生き物を捕らえることもあります。口から獲物の体内に消化液を送り込み、消化された肉汁を吸い込みます。

 かつて、タガメは田んぼを代表する昆虫のひとつでした。しかし、田んぼの減少や農薬の使用などによって、今では「幻の昆虫」と呼ばれるほど数が減りました。残念なことに、都内ではすでに絶滅したといわれています。

 3つある小さな水槽では、タガメ以外に、ニホンアマガエルやツチガエル、メダカやイモリなど、田んぼに生息する生き物を展示しています。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 小木曽正造〕

(2009年07月31日)



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