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期間限定! 東京湾のアユ展示
 └─2009/04/10

 葛西臨海水族園の前に広がる西なぎさには、季節ごとにちがった生物が見られます。その変化を調べるために、毎月地びき網をひいています。寒い時期は水も冷たく、生物の種類は少なくなりますが、そんな時期にあらわれるのが「アユの幼魚」です。

 アユって川の魚じゃないの?と思いますよね。そのとおり、アユは淡水魚で、おもに川の中流に生息しています。なぜ海にアユがいるのでしょうか?

 アユは秋になると、川の中流から下流の間の、砂や小石の多い浅瀬で産卵します。卵から孵化したばかりのアユは、川の流れによって海に流されます。その後、河口付近や海ですごし、春ごろに川をのぼり、ふたたび川での生活を始めます。 海で生活するアユは小さく、泳ぐ力も弱いので、ほかの魚に見つかったら逃げる間もなく食べられてしまう危険があります。そのため、孵化したばかりのアユの体は透明で、とても見つかりにくくなっており、これで身を守っていると考えられています。そして、海に漂うプランクトンなどを食べながら成長し、川をのぼるころには、しっかりと泳げるようになり、透明だった体の色が銀色へと変わります。

 この時期しか見られないアユの稚魚は、東京の海エリアの2階「キャットウォーク」にある「葛西の海」水槽で展示しています。小さくて透明のアユ、少し大きくなった銀色のアユ、両方一度に見られるのは今だけですよ!

〔葛西臨海水族園飼育展示係 鈴木聡子〕

(2009年04月10日)




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