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食べ方いろいろ、魚の変わった口
 └─2009/03/06

 魚の口は、人間の口とはちがい、種類によって千差万別です。では、どんな口で、どんな食べ方をしているのでしょうか。

 葛西臨海水族園の一番人気、クロマグロの口はいつも半開きです。これは、呼吸をするために新鮮な海水をえらに送り込んでいるのです。マグロのなかまは、獲物を見つけると勢いよく近づき、口を大きく開けてパクッと丸のみしてしまいます。

 リーフィシードラゴンやヘラヤガラの口は、ストローのような細長いかたちをしています。えさになる獲物に気づかれないよう、そ~っと近づき、細長い口を使って一気に吸い込んで食べてしまいます。

 では、「グレートバリアリーフ」の水槽にいるギチベラは、どんなかたちの口をしていて、どんな食べ方をするのでしょうか?

 一見すると、どこにでもいそうな、ふつうの口をした魚ですが、獲物を捕まえる瞬間、ちょっとビックリするぐらい口が長く前に飛び出します。といっても、右の写真はふだんの状態なので、どのくらいとび出すかわかりませんが……。

 どうして口が伸びるのでしょう? その秘密はギチベラの下顎にあります。よく見ると下顎が後ろのほうに突き出ていて、上手に折りたたんであります。

 もちろん、口が伸びるのはえさを捕まえる瞬間なので、そう頻繁に見ることはできませんが、ときどきあくびをするように口先を伸ばすこともあります。水槽の前で辛抱強く待っていると、そんなようすが観察できるかもしれません。

写真上:リーフィシードラゴン
写真下:ギチベラ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 牧茂〕



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