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モジャモジャの正体は?──3/15
 右の写真をごらんください。これはいったいなんでしょう? ツル状の枝がモジャモジャとからまっっていますね。じつは、これはれっきとした動物なのです。餌の時間になれば、それが確認できます。小さなプランクトンをスポイトでこのモジャモジャに吹きかけると、ツル状にクルクルと巻いた枝が伸びていくではありませんか。餌を捕らえると、枝の先がこぶしをにぎるようにギュッとまるまっていきます。

 このモジャモジャは「テヅルモヅル」と呼ばれる生き物のなかまです。「極地」のコーナーの「北極」の水槽で展示しています。体をよく見ると、真ん中に丸い盤があって、そこから5本の太い枝(腕)が出ています。その枝がさらに何度も分岐して、モジャモジャをかたちづくっているのです。

 腕が枝分かれしているとなにかいいことがあるのでしょうか? じつは、テヅルモヅルの餌のとり方と関係があるのです。テヅルモヅルは海の中で流れにむかって腕を大きくひろげ、流れてくるプランクトンを捕らえて食べます。枝分かれした腕を網のようにひろげれば、流れてくる餌を効率的に捕らえることができそうです。そして、器用にクルクルと丸まる腕をおもに使って、捕らえた餌を真ん中の盤の下側にある口まで運ぶのです。

〔葛西臨海水族園調査係 天野未知〕

(写真上:腕を丸めたテヅルモヅル、下:腕を伸ばした状態)

(くわしくはメールマガジンZooExpressのNo.51 をどうぞ)



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