桜の開花予想が発表されました。桜の花を見て本格的に春を感じる方、そしてお花見を計画されている方も多いのではないでしょうか?
花見は平安貴族の風雅から始まり、武家の権力誇示、そして庶民の娯楽として、古くから日本人に愛されてきました。桜といえばソメイヨシノ(染井吉野)をイメージする方が多いのですが、日本に自生する桜はヤマザクラ(山桜)、ヒガンザクラ(彼岸桜)、オオシマザクラ(大島桜)で、この3系統以外は品種改良されたものです。
ソメイヨシノは江戸末期、江戸の染井村が発祥の地。オオシマザクラとヒガンザクラの交配種で、挿し木がしやすい、成長が早い、どこに植えても同じように咲くなどの特徴が人気を呼び、1本の木から全国へ広がって、今では日本の桜の8割がソメイヨシノといわれています。
余談ですが、みなさんごぞんじ、「遠山の金さん」の桜吹雪。あの桜はソメイヨシノが描かれていますが、その時代にはまだ存在しなかったのです。
井の頭自然文化園では、ソメイヨシノを中心に、6種類50本の桜をお楽しめます。園内で最初に咲くのは、濃い紫紅色のカンヒザクラ(寒緋桜)。つづいて、モルモット舎脇のシダレザクラ(枝垂桜)が見ごたえのある花を咲かせます。シダレザクラがいい感じになるころ、ソメイヨシノの出番です。
ソメイヨシノの下でアジアゾウの「はな子」に会う!──この時期ならではの醍醐味です。ほぼ同じころ、資料館まわりのヤマザクラ(山桜)が咲き、桜餅の葉に使われるオオシマザクラが咲き、最後に桜湯でおなじみ、サトザクラ(里桜)が咲きます。桜の花に集まるヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、シメなどの鳥たちにも注目です。
サル山前の広場でシートを広げての花見、分園から井の頭池の対岸を眺めての景観なども人気スポットです!
今年も例年通り、ニュースで連日、桜前線北上にともなう各地の盛りあがりを目にする機会が多いと思いますが、今年のお花見は動物園で! 動物と桜のセットを楽しめる井の頭自然文化園をおすすめします。お待ちしております。
写真上:ソメイヨシノ
写真中:カンヒザクラ
写真下:桜とはな子
〔井の頭自然文化園施設係 星野真一〕
(2008年03月14日)
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