夏のうだるような暑さが過ぎ、日中過ごしやすくなった或る日、飼育係が書く日誌に目を通していると、ある一文に目がとまりました。
「ハクチョウ池にオナガガモが1羽飛来」。ああ、もうそんな季節になってきたのか……。そうです。冬になると井の頭池だけでなく、井の頭自然文化園の分園のここ、「ハクチョウ池」にもオナガガモが数え切れないほど飛来するのです。
他の水鳥もやってきますが、数ではオナガガモが群を抜いています。今年1月におこなったガンカモ一斉調査では、オナガガモが 511羽、キンクロハジロが88羽、ハシビロガモが8羽、ホシハジロが4羽でした。
この日誌にこの一文が記された後、日に日に井の頭の池には来客が増えています。まだ、冬羽ではありませんが、冬はもう間近なんだなあと思わせるできごとです。
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係長 山口歩〕
(2007年10月05日)
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