ニュース
川遊びはおもしろい! 野川観察会レポート
 └─2007/08/03
 2007年7月22日、夏休み最初の日曜日、「都立野川公園」の中にある野川で観察会「野川で生き物を観察しよう、飼ってみよう」を実施しました。当日は朝からあいにくの雨模様でしたが、集合時間の9時半には雨もあがり、34名の参加者がタモ網やプラスティックケースを持って集まりました。

 この観察会の目的は、とにかく「川遊びを楽しんでもらうこと」です。大人の方なら、少なからず子どものころ、川や田んぼで生き物を探し、採集することの楽しさを体験しているのではないでしょうか?

 川に親しむ機会が減ってしまった今の子どもにも、ぜひその楽しさを味わってもらいたい!という思いから、この観察会を開催しました。また、生き物を探して採集するプロセスは、楽しいだけでなく、生き物のさまざまな情報を知る機会にもなります。さらに、採集した生き物を飼育すれば、たくさんのことがわかり、生き物との距離もぐっといちぢまるはずです。

 このようなねらいで実施した観察会ですが、当日はまず、何も説明をせずにタモ網を渡し、自由に生き物を採集してもらいました。どうしてよいかわからずに突っ立っていた子どもも、こちらから「どんなところに(生き物は)いるのかな?」と問いかけ、川岸をおおう草の下や流れがゆるやかなところで生き物をとって見せると、見よう見まねでやり始めます。こうして30分もしないうちに、子どもも大人もみんな夢中になっていました。

 「大きなエビがとれた!」という声があがると、「いいなあ!」「どうやってとったの? どこにいたの?」とみんなが反応します。中には、「だれにも教えたくない」というライバル心むき出しの子どももいて、こちらから特別な解説をしなくても、それぞれが考えたり工夫をしたりして、採集を楽しんでいました。

 野川は浅く、流れもゆるやかな川ですが、メダカ、モツゴ、タモロコ、コイ、ナマズなどの魚や、タイコウチ、アメンボ、ヤゴ、ヒラタドロムシなどの水生昆虫のほか、アメリカザリガニ、ヌマエビ、ヒメタニシなどが観察できます。

 川での採集した後は、水生物館の飼育職員による「飼い方教室」です。飼いやすい生き物、飼いにくい生き物の説明や、飼育に必要な機材、餌についてなど、野川で観察された生き物の飼い方を伝授! みんな真剣に聞いていて、質問もたくさん出ました。

 当園で初めて実施したこの観察会、まだまだ改善すべき点がありますが、参加者のようすを見ると、川遊びを楽しんでもらおうというねらいはほぼ達成できたのではないかと思っています。応募者が定員の7倍になったことからも、このような機会を提供することの大切さを感じました。

 参加者の方が今度は自分たちで川に遊びに行きたくなるような、そんなきっかけを作る観察会をこれからも実施したいと思います。

〔井の頭自然文化園教育普及係 天野未知〕

(2007年8月3日)



ページトップへ