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池で捕まえたカミツキガメを展示
 └─2007/05/28

 メールマガジンNo.321でご紹介した巨大カミツキガメの「ショウゾウ」が、いよいよ展示水槽に登場しました(ニュースページはこちら)。迫力あるすがたを早くお見せしたいと思いつつも、環境省への届出や、個体識別のためのマイクロチップの埋め込みが必要でした。カミツキガメは外来生物法によって「特定外来生物」に指定されており、原則として飼育が禁止されているのです。動物園が展示のために飼育する場合でも、許可申請や、個体識別をしなくてはなりません。

 また、展示する前に餌づけも必要です。ところが、ジョウゾウは生きた魚を水槽に入れても食べず、その魚が死んでも見向きもしません。鶏肉も試みましたが、見ていてもまったく反応がありません。鶏肉もだめか……と思っていたところ、翌朝には鶏肉がなくなっていました! こうして、鶏肉を与えられると、人がそばにいなければ食べるようになり、その後、徐々に慣れて、人が見ていても食べるようになったのです。

 残る問題は、展示水槽です。いろいろ考えたすえ、「公園の池」と名前がついている水槽に入れました。ここには、オオクチバスとブルーギル、そしてスッポンが入っています。ジョウゾウは魚には興味を示さなそうですが、スッポンとはケンカをしかねないため、スッポンは裏で静養させることにしました。

 また、掃除の際は水槽に人が入りますが、噛まれればただではすみません。ジョウゾウと人間をへだてるためのついたてを作りましたが、まだ使っていません。

 こうしてようやく、2007年5月22日から展示を始めました。ショウジョウのすがたは岩のようで、ときどき呼吸のために長い首を水面まで伸ばすようすや、大きな糞は大迫力です。ぜひ、井の頭自然文化園の水生物館でごらんください!

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 小木曽正造〕

(2007年5月28日)



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