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いきもの広場で遊ぼう[9]冬の生き物さがし
 └─2013/01/25

 厳しい寒さが続きます。井の頭自然文化園の「いきもの広場」も、すっかり冬枯れて、秋までの生き物のにぎわいがうそのようです。しかし、冬でも生き物たちは、それぞれがさまざまな方法で命をつないでいます。

 2013年1月13日には、そんな冬越しの生き物たちを探す「新春身近ないきもの探検」を開催しました。子どもたちと一緒に野生の生き物を「いきもの広場」や園内で探してつかまえるというプログラムです。

 最初にいつも「○○種類の生き物をさがそう!」という目標を決めるのですが、参加した子どもたちの中にはリピーターも多く、80種という高い目標を設定していざ出発!

 木の幹の窪み、落ち葉の裏、石の下……。冬の生き物さがしは、じっくり、根気よく、がポイントです。石や朽ち木の下にはアズマヒキガエルやヒゲジロハサミムシ、はがれかかった木の皮の間にはニホンヤモリやクモのなかまの卵、葉が落ちた木の枝にはハラビロカマキリの卵、エノキの下の落ち葉の裏にはゴマダラチョウの幼虫という具合に、みんなが虫目(虫を必死でさがす目)になって、なんと約60種もの生き物を発見しました。残念ながら80種には届きませんでしたが、冬でもこんなにたくさんの生き物を発見できたことにみんな満足したようでした。

 子どもたちが一番興奮したのは、朽ち木のなかで冬眠していたコガタスズメバチです。黄色と黒の美しい配色やかっこいい顔つき?に、とくに男の子が魅入られたようです。

 おまけにすごい発見がありました。小さなプラスティックケースに入れたスズメバチを部屋に持ち帰り観察していると、おしりからスズメバチネジレバネという寄生性の昆虫の頭部が出ているのを見つけたのです。もちろんこれも1種として加えられました。

 冬の「いきもの広場で遊ぼう」では、このプログラムと同様に冬越ししている生き物をさがします。生き物がいっぱいいる春や夏には見落としがちな地味な生き物にも、新しい発見があるかもしれませんよ。

写真上:「新春身近ないきもの探検」のようす
写真中:ゴマダラチョウの幼虫
写真下:ワカバグモ

〔井の頭自然文化園教育普及係 天野未知〕

(2013年01月25日)



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