井の頭自然文化園資料館では、2007年から「いのかしらネズミーズ」と題してネズミやハリネズミの展示をおこなっています。その「ネズミーズ」に新しい仲間が加わりました。それはみなさんの一番身近にいるかもしれないネズミ、「クマネズミ」です
クマネズミは都市のビル街などで繁殖し、害獣として扱われることもしばしば。それは動物園でも例外ではなく、野生のクマネズミが動物舎に入りこみ、飼育動物の餌を食べてしまったり、病気を運んできたりすることが問題になっています。
そんなクマネズミですが、じつは運動神経が抜群で、足の速さはもちろんのこと、高い場所への登り降りがじつに得意なのです。ビル街での生活に適応できるのもこの能力ゆえでしょう。そのような運動神経の良さと、私たちの身近にくらす動物を、より知っていただこうと、新しい仲間に抜擢されました。
新たに作ったクマネズミの展示では、透明のパイプの中を素早く登り降りする姿が見られます。クマネズミの足の裏の肉球には細かいひだがあって、登り降りに役立っているようです。じっくり観察してみましょう。
当初はオス1頭メス1頭のペアでの展示でしたが、5月9日に5頭の子どもを出産しました。メスは展示ケース内で堂々と子育てをし、子ネズミたちはすくすくと育ちました。5月26日には親と一緒に透明パイプで休むようになり、そのあどけない姿をごらんいただけます。しかしネズミの成長はとても速いので、子ネズミを見るのはお早めにお願いします。
写真上:クマネズミのオスとメス
写真下:パイプを駆け上がる
〔井の頭自然文化園飼育展示係 高橋美紀〕
(2012年06月01日)
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