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カタクリの花が咲き始めました
 └─2012/04/06

 今冬が寒かったため、ウメやサクラなど春の花の開花が遅れていましたが、井の頭自然文化園水生物園(分園)内では、ようやくカタクリが開花しました。

 カタクリは山野に群生する多年草で、直径5センチメートルほどの鮮やかなピンク色の花を咲かせます。地上部が見られるのは開花期の約1か月のみで、その後は枯れて地下茎(鱗茎:球根の一つの形)だけになります。近年生育環境の悪化や無秩序な採取などで減少し、群生地では天然記念物に指定されているところもあります。なお、東京都レッドリスト(2010年)では、絶滅危惧II類または準絶滅危惧種に指定されています。昔、山野にカタクリが普通に見られたときには、鱗茎からカタクリ粉を作りましたが、今の片栗粉原料はジャガイモにとって代わられてしまいました。

 水生物園内でカタクリの花が見られるのは、オシドリ舎の前の植え込みと水生物館周囲(カモ舎側)の植え込みです。この2か所では、周年在来の山野草が見られるように管理しています。ここでは、同時にハルリンドウやムラサキケマンも咲き始めました。また、園内各所ではタチスボスミレが満開です。

 今後は続々と山野草が開花しそうなので徐々にご紹介していきます。なお、カタクリの花は、動物園(本園)にある山野草園でも咲いています。

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 池田正人〕

(2012年04月06日)



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