ニュース
ガンカモ調査とマルガモの飛来
 └─2012/01/27

 2012年1月9日、井の頭池に生息するガンカモ類の個体数調査をおこないました。この調査は毎年この時期に、環境省の依頼を受けて全国一斉におこなっています。

 当日は朝7時45分から8時30分まで、井の頭池を3つの区域に分け、職員11名で手分けしてカモの種類と個体数を確認しました。天候にも恵まれ、観察に適した日でしたが、池の中でカモが移動して、二重にカウントをする恐れがあるため、短時間に手際よくおこないました。

 今回確認したカモは5種類 138羽でした。内訳は、オナガガモ65羽、カルガモ47羽、キンクロハジロ18羽、ハシビロガモ7羽、マガモとカルガモの交雑個体1羽です。また、ガンカモ類以外では、オオバン3羽、カイツブリ5羽、ゴイサギ3羽でした。

 2011年1月の調査結果とくらべると、オナガガモが98羽から65羽に、キンクロハジロが72羽から18羽へと大きく減りました。したがって合計飛来数も近年減少傾向となっています。

 また常連のオシドリは、この日は1羽も見られませんでした。かつてよく見られたマガモも確認できませんでした。

 その代わりというわけではありませんが、通称「マルガモ」と呼ばれるマガモとカルガモの交雑個体を1羽確認しました。カモ類は種間関係が近いためか交雑種を作りやすく、ほかにマガモとオナガガモの交雑種、オナガガモとトモエガモの交雑種などが知られています。そのマルガモが、先日分園内のコクチョウ池に、いわゆる「招かれざる客」としてやってきました。今回確認されたマルガモはオスと思われ、後頭部、胸、体部後半にマガモのオスの痕跡を見ることができます。くちばしはマガモのオスそのものですが、前頭部のもようと体部前半はカルガモとそっくりです。いつもカルガモとともに行動しているようで、初夏のころから神田川方面で見られていた個体だと思われます。

写真上:マルガモ
写真中:(左)カルガモと(右)マルガモ
写真下:マガモのオス

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 池田正人〕

(2012年01月27日)



ページトップへ