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サル山の最高齢ザルが出産しました
 └─2011/06/17

 台風4号が接近していた2011年5月29日、井の頭自然文化園で今年最初のアカゲザルの赤ちゃんが誕生しました。母親は「マーモット」という名前で、推定23歳になるサルです。

 アカゲザルの寿命は大体25年前後だといわれているので、マーモットの23歳は、人間でいうとかなりのおばあちゃんだと考えられ、今回の出産も高齢出産だったといえます。

 飼育記録を調べてみると、マーモットが最後に出産したのは1998年の13年前だということがわかりました。ほかの飼育係も「なにもこんな日に生まなくても……」と心配するほど雨風の強い日で、台風が早く通り過ぎてほしいと願いました。

 マーモットはとても面倒見のいい優しいおばあちゃんで、自分の娘や孫が出産したときには、いつもそばに寄り添い、まるで子育てのアドバイスをしているかのように見えました。実際、マーモットは赤ちゃんをしっかりと胸に抱き、赤ちゃんもおっぱいに吸い付いていたので、子育てについては心配せずに安心して見ていられそうでした。

 しかし、心配なことは一つ、マーモットの体のことです。悪天候の中の久しぶりの出産で、母親のマーモットが子育てを続けられるか、不安でした。出産して3日ほどは餌を食べに来ず、1日ジッとして過ごしていました。また歩くときもヨタヨタと倒れそうで、いつもなら擬木(モルタルで作った偽物の木)の上の方にいるのが、地面にいることが多かったのも心配でした。その後、少しずつ餌を食べに来るようになり、1週間ほどたつと大分スムーズに歩き、少しずつ体力の方も回復しているようで、安心しました。

 無事台風4号を乗り切ったマーモット母子のほか、3頭の赤ちゃんが誕生しています。にぎやかになった井の頭のサル山をぜひ見に来てください。

〔井の頭自然文化園飼育展示係 齋藤美和〕

(2011年06月17日)



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