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イモリの産卵
 └─2011/04/08

 井の頭自然文化園水生物館で展示しているイモリが2011年3月初めごろから産卵しています。

 イモリの繁殖期はふつう春から初夏にかけて数か月は続きます。
 この時期、イモリのオスの尾には、ちょっとした変化が見られます。尾の部分が鮮やかな青白い色に変化し、うっすら白と黒の縞もようが見えるようになります。そしてオスはメスのあとを付けまわし、メスが立ち止まるとその前にまわってS字に曲げた尾を一生懸命震わせるのです。
 イモリのこうした行動は水槽のあちこちで見られ、あるところでは複数のオスがメスを追いまわしています。

 メスはというと、オスを気にもとめずに好き勝手に動き回ります。まるで、人間の社会を見ているようでオスにエールを送りたくなります。

 メスに気に入られたオスは、精子の入ったカプセルをメスに渡し、メスはこの精子を使って卵を受精させます。イモリのメスは、一粒ずつ卵を後ろ足で水草に包み込むように産みつけていきます。

 水槽内の水草をよく見てみると、産みつけられた卵を見つけることができます。じっくり観察していると、産卵の瞬間が見られるかもしれません。イモリの産卵は6月頃まで続きます。

写真上:オスの尾の婚姻色
写真下:産卵の瞬間

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係
(現葛西臨海水族園飼育展示係) 中村浩司〕

(2011年04月08日)



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