井の頭自然文化園水生物館では、2010年7月17日より、カエルの屋外飼育ケージ、通称「カエルハウス」がオープンしました(ニュースは
こちら)。
このケージは、おもに木や草の上で生活するモリアオガエルなど、樹上性のカエルを屋外で展示するために作った特製のケージです。屋根までの高さが2メートル以上と、おとなの背丈より高く、ケージの中にはカエルが隠れられるように葉の茂った太い木が植えてあります。背の高い水槽なので、樹上でのカエルのようすを目の高さでじっくり観察することができます。
カエルは水辺だけでなく、さまざまな環境を利用して生活しています。モリアオガエルは、主に高い木の上で生活している大型のカエルです。室内で長期間飼育していると、皮膚や目などに異常が現れることがあります。自然では日中も木の上で生活していることから、太陽光が飼育上重要であろうと考えられます。実際、室内でカエルを飼育している水槽に強いライトをあてると、モリアオガエルなど樹上性のカエルは、明るいのを嫌うどころかそこに集まってきます。それは、まるで日光浴をしているかのようにも見えます。
これまでの飼育経験をもとにこの屋外ケージを完成させましたが、モリアオガエルの飼育に光がどれだけ必要なのかはまだわかりません。今後、この屋外ケージでの飼育経過を見ていきたいと思います。
さて、来園者の反応です。展示したモリアオガエルは比較的大型のカエルなので、見つけるのは簡単なはずと思っていました。しかし、体の色が緑色で、葉っぱの間にじょうずに隠れているので、見つけるのは案外むずかしく、カエルが何匹入っているのか、来園者からよく聞かれます。カエルハウスには、現在7匹を展示していますので、ぜひ、カエル探しにチャレンジしてみてください。
写真上:カエルハウス
写真下:モリアオガエル
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 中村浩司〕
(2010年07月23日)