2010年4月のはじめ、佐渡にある佐渡トキ保護センターでトキが小動物に襲われた、というニュースをご記憶の方も多いと思います。その小動物は映像などからテンだとわかりました。
その後、佐渡トキ保護センター内でテンが2頭捕獲されました。1頭目は富山市ファミリーパークで飼育されることになり、2頭目は井の頭自然文化園で飼育することになりました。
5月15日に来園し、動物病院で検疫を受けて、6月21日よりテン舎でくらしています。テン舎に移動してから4、5日間は慣れていないためか、あまり餌を食べませんでしたが、現在はよく食べるようになりました。テンの餌はリンゴ、バナナ、ふかしたサツマイモ、オレンジ、ニワトリの頭、ドッグフード、煮干ですが、はじめはバナナやサツマイモを少し食べるくらいでした。
あの事件で「獰猛な動物」というレッテルをはられたテンですが、じつは果物など植物性のものもよく食べるのです。
このテンはオスで、年齢はわかりません。「タツゾウ」と名づけました。ここ数年テンの名前は、主に時代小説『鬼平犯科帳』の登場人物の名がつけられています。日本の動物なので日本らしい名前を考えたのですが、ほとんど担当者の趣味といえます。テン舎には、ほかにオマサ、ゴロゾウがいますし、また、当園で繁殖しほかの動物園に移動した個体にクメハチやチュウゴがいます。
タツゾウはまだ新しい環境に慣れていないせいか、日中巣箱に入っていることが多く、なかなか姿を見せませんが、だんだんと慣れてきてくれると思います。
〔井の頭自然文化園飼育展示係 佐々木真己〕
(2010年07月16日)
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