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アカゲザルの双子が生まれました!
 └─2010/06/11

 井の頭自然文化園のサル山で2010年5月22日、今年初めてアカゲザルの子どもが生まれました。出産第1号はこれまでに6頭の子どもを育て上げた13歳になるベテラン母さんの「ゴブゴブ」です。そしてゴブゴブが胸にしっかりと抱いていたのは、なんと2頭の小さな子ザル、そうです!双子でした。 アカゲザルの場合、双子が生まれる確率は、0.19から0.25%、つまり526分の1から400分の1だそうです(T. Geissmann[1990]による)。ちなみにヒトの双子が生まれる確率は、一卵性で250分の1、二卵性では500分の1だそうです。

 ゴブゴブが双子を生むのはもちろん初めて。2頭は無事に育つことができるのでしょうか。
 出産して数日はお天気も崩れがちで、双子の小さな体がとても心配でしたが、杞憂でした。ゴブゴブは2頭を離さず、また双子も母親の胸にしっかりつかまり、おっぱいを吸っていました。

 ゴブゴブのすぐ近くにいるもう1頭の小さな子ザルはゴブゴブの末っ子で、2歳になる「フッケン」です。今まで母親のいちばん近くにいたのに、相手にしてもらえなくなり、少し寂しそうに見えるかも知れませんが、フッケンにはほかの家族のメンバーや同じくらいの歳の子ザルが遊び相手としてたくさんいるので心配は無用です。

 双子は生後1週間ごろには目が見えるようになり、母親の顔を覗き込むようなしぐさを見せるようになりました。またこのころ、2頭ともオスであることもわかりました。出産直後は母親が飼育係に背を向けてしまうので、なかなか子どもの性別が判定できないのです。

 2週間たち双子はともによく動くようになりました。そろそろ母親の近くでヨチヨチ歩きだすころで、今後の成長が楽しみです。またほかのサルも出産を控えていますので、今年もサル山はにぎやかになりそうです。

写真上:双子のアカゲザル
写真下:母親にまとわりつくフッケン

〔井の頭自然文化園飼育展示係 齋藤美和〕

(2010年06月11日)



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