ニュース
ヤマドリのひなが見られます
 └─2010/06/04

 ヤマドリは日本の固有種で、生息地域によって色や模様などが異なり、5つの亜種に分けられています。
 井の頭自然文化園では、このヤマドリの展示と孵化育成に力を入れています。
 ヤマドリは複数で飼育をすると闘争を起こしやすい鳥です。とくに繁殖期になると狭い展示施設では同居ができないため、今年も人工授精により卵を産ませました。その卵を孵卵器にいれておいたところ、2010年5月31日に2羽のコシジロヤマドリが孵化しました。ヤマドリのひなの体重は20グラムほどで、ニワトリより一回りくらい小さなひなです。

 いつもは、このひなが大人のサイズに育つまでヤマドリ舎の中で育てているので、なかなか来園者のみなさんにお見せできませんでした。
 ただ、前回資料館でおこなった特設展示「鳥々色々」のヒヨココーナーが大変好評であったのを思い出し、今年は孵卵器・発生器(孵化直前の卵を入れて孵化を待つ機械)・育雛器を「野鳥の森」横にあるガラス窓をとおして公開することにしました。

 孵化したてのひなは寝ていることも多いのですが、小さくちぎったハコベや虫(動物園ではミールワームの脱皮したてのもの)を好んで食べるようすが見られます。同時に、小松菜を切ったものにひな用の餌(幼雛用とドッグフードをブレンド)をまぶして与え、今後主食となるこの餌を食べることを教えます。
 この「餌付け」教育が重要で、一日に何度かひなの目の前でピンセットなどを使って餌を動かし、興味を引いて自力で食べられるようにしています。

 公開できるのははじめの1週間程度で、そのあとはヤマドリ舎内の大きな育雛器へ引っ越すことになります。産まれた卵全部のひなをお見せできるのは約1か月間という期間限定の公開ですが、タイミングよく来園される方がいましたら覗いてみてください。

・写真は孵化後2日目のひな

〔井の頭自然文化園飼育展示係 永田典子〕

(2010年06月04日)



ページトップへ