井の頭自然文化園でキリギリスの展示を始めました。場所は「ハビタット」(本園中央部の大放飼場)前の植え込みです。「ギーッチョン」「ギーッチョン」という鳴き声を聞くと、「あれ?どこかで聞いた声だな」と思う方も少なくないでしょう。私にとってこの声は、夏の暑~い日の午後、草むらで遊んだ思い出と結びついています。
キリギリスは夏に鳴く虫の代表で、オスはよく通る大きな声でメスを呼びます。背の高い草むらにいることが多く、近づくとぴたりと鳴きやみ、草むらに隠れてしまうので、見つけるのは簡単ではないようです。
かつては空き地や河川敷の草地にいましたが、そのような草地も少なくなり、市街地では声を聞くこともなくなりました。
キリギリスは、飼育職員が作った特製の飼育ケースで約10匹を飼育・展示しています。ケースは4つあり、2つのケースは鳴き声を聞くためのケースで、キリギリスの姿は見られませんが、残りの2つのケースでは見ることができます。
ケースの中にいてもキリギリスは大きな声で鳴いてくれるので、来園者の方はその声で展示に気づいてくださるようです。その声とともに、大きくてかっこいい姿もどうぞ楽しんでください。
〔井の頭自然文化園教育普及係 天野未知〕
(2009年08月14日)
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