井の頭自然文化園の特設展「カエルの自慢話 カエルのぼやき」に、あらたな水槽が加わりました。
新水槽はこれまでの特設展の水槽とちがいます。背が高く、中には陸地しかありません。ちょっと変わった水槽なのです。水槽の中には木や草がたくさん植えてあります。水槽に近づいて、木の枝や草の陰などをよく探してみると、シュレーゲルアオガエルが隠れているのが見つかります。
カエルといえば水辺にいるものと思っていませんか。山や林の中の、水辺から離れた乾いたところにいるなんて想像できないかもしれません。でも、シュレーゲルアオガエルやモリアオガエルのようなアオガエルのなかまは、繁殖期以外は高い木や草の上で生活しているのです。
とはいっても、まったく水がなくても大丈夫というわけではありません。夏の暑い日や日差しの強い日中などは、乾燥を防ぐために木や葉の陰でじっとして動かず、涼しくなった夜や雨の日などに活動します。
新水槽内では定期的に霧を発生させているため、ちょっと湿っており、カエルにとってはとても快適な環境になっています。また、背が高い水槽ですので、カエルを実際の生活に近い状態で、しかも、見やすい高さでごらんになれます。
特設展「カエルの自慢話 カエルのぼやき」は、2009年8月30日(日)まで開催しています。
こちらのお知らせをごらんください。
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 中村浩司〕
(2009年08月07日)