2008年9月27日、井の頭池で全長11センチの「ヌマムツ」という魚が1尾捕まりました。以前は「カワムツ」と混同されていましたが、腹びれに赤みがあることなどで区別できます。
ヌマムツは井の頭池でこれまで報告されたことがない種で、あらたな外来生物だといっていいでしょう。ヌマムツの本来の分布は西日本ですが、アユの放流に混じって各地にひろがったようで、東京の多摩川でも、いまではふつうに見られる魚になっています。
だれかが池へ放した可能性もありますが、井の頭池が起点となっている神田川でもヌマムツが見つかっていることから、神田川から上がってきた個体である可能性も考えられます。
ヌマムツの生態はきちんと調べられていないため、今後、井の頭池でヌマムツがどうなっていくか注意していきたいと思います。
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 荒井寛〕
(2008年10月03日)
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