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身近な自然を観察しよう! 先生のためのセミナー報告
 └─2008/09/12

 毎年夏、井の頭自然文化園ほか、上野動物園、多摩動物公園、葛西臨海水族園の4園では、教員対象のセミナーを開催しています。井の頭自然文化園では、おもに小学校の先生を対象にして、「動物解説実習」コース、「いきもの飼い方」コースなど、4日間ちがうテーマでワークショップを実施していますが、今年(2008年)はあらたに「身近ないきもの観察」コースを設けました。井の頭恩賜公園内にある「井の頭池」の生き物を観察するという内容ですが、「トラップでの水生生物の採集」という点が魅力的だったのか、4コースの中では一番人気で、応募はすぐ定員に達しました。(セミナーのおしらせ

 このコースのねらいの一つは、身近な水生生物の観察方法を学び、学校の授業で活かしていただくことです。小型トラップを使った水生生物の採集や、双眼鏡でのカメ類のカウントなど、だれでも簡単にできる観察をおこないました。

 池のまわりを歩き、カメの種類を見わけながらおこなった個体数調査は、種の同定にも徐々に慣れ、泳いでるカメをすばやく発見することもできるようになりました。また、各自でしかけたトラップを回収するときは、「何にも入ってなかった~」「大物が入っていた!」など、童心にかえって?の盛り上がりが見られました。お昼休みに設けたオプションメニュー「ザリガニ釣り」でも歓声があがり、観察や採集を楽しんでいただけたようです。

 もう一つのねらいは、都市公園の中にある井の頭池の現状を知っていただくことです。カメの観察では、在来種のクサガメに比べ、外来種のミシシッピアカミミガメが何倍も多かったこと。トラップに入った魚類はブルーギルやブラックバス(オオクチバス)ばかりで、在来種のモツゴはわずかだったこと。外来種ばかりという深刻な状況にみなさん驚かれたようです。

 最後に、井の頭池は変貌とその原因についてお話ししました。いただいたアンケートでは、「自分自身が体験することができたため、子どもに実感をもって伝えることができる」「子どもに身近な自然とのつきあい方を教えたい」といった意見をいただきました。まだまだ改善点はありますが、ねらいは少なからず達成できたようです。当園にとってもっとも身近な自然である井の頭池を活かしたこの企画は、来年もぜひ実施したいと考えています。

 なお、分園の水生物館では、2008年9月24日から、特設展示「大きく変わった井の頭池──いま、何をすべきか」が開催されます。それにともない、井の頭池の観察会や、昔の井の頭池の生き物をテーマとした講演会もおこないます(下記リンクをごらんください)。一人でも多くの方に、身近な自然である井の頭池への関心をいだいていただきたいと思います。

特設展「大きく変わった井の頭池──いま、何をすべきか」
観察会「親子で井の頭池たんけん」参加者募集
講演会「井の頭池の生き物、昔と今」

写真上:双眼鏡でカメのカウント
写真下:トラップをしかけて水生生物の採集

〔井の頭自然文化園教育普及係 天野未知〕

(2008年09月12日)



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