このたび、井の頭自然文化園では
「北村西望の浮き彫り」展を開催いたします。未公開のまま所蔵されていた浮き彫り42点を初めて展示し、北村西望の彫刻制作のもうひとつの側面を展観いただきます。
東京美術学校の彫塑科の教育課程には、石膏の浮き彫り装飾があり、北村西望は生徒としても教師としても技法を習得しました。
《児玉源太郎大将騎馬像》などの軍人騎馬像の台座の浮き彫り装飾も自作していました。丸彫りの人体像が展覧会出品作であったのに対し、戦前の北村西望の浮き彫りは、建築物の一要素として役割をもっていました。また、戦前から浮き彫りによるメダル原型やトロフィー原型もてがけており、《平和祈念像》建立の際、協力者へのお礼として配布されたメダル原型も残されています。戦後は「石膏直付け法」により、より大規模な浮き彫りが可能になり、大分県のキリシタン殉教記念公園の《キリシタン殉教記念碑》3m×5mの大作をてがけました。
北村西望の浮き彫りは、高さを段階的に出して立体に見せる工夫や、建物と調和して図像を引き立てる工夫がさまざまになされています。今まで展覧会作品として発表されることの少なかったこれらの浮き彫りを、この機会にご覧いただきます。
期間 2023年8月4日(金)~11月19日(日)
場所 井の頭自然文化園 動物園(本園) 彫刻館B館
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《児玉源太郎大将騎馬像》台座浮き彫り装飾 石膏着色 1938年 | 《平和祈念像》浮き彫りメダル 石膏着色 1955年 |

《キリシタン殉教記念碑》浮き彫りのためのデッサン 1969年
井の頭自然文化園 彫刻園オンライン
「
井の頭自然文化園 彫刻園オンライン」では、企画展やギャラリートークを動画でご視聴いただけるよう、所蔵品を1点1点解説つきでご紹介します。作品に接近した視点でご覧ください。
【動画】「北村西望の浮き彫り」展
(2023年07月27日)
(2023年08月23日:動画公開)