井の頭自然文化園では2010年7月17日(土)から「日本の動物と妖怪Part2」が始まりました(8月31日[火]まで。お知らせは
こちら)。
Part2というのは、昨年の「日本の動物と妖怪めぐり」に引き続き、動物と妖怪をテーマにしたクイズラリーは今年で2回目になるからです。
「なぜ妖怪?」と思う方もいるかもしれませんが、みなさんもご存知のように、妖怪にはタヌキ、キツネ、カワウソなど、動物の姿をとるものが少なくありません。また姿だけでなく、「鵺(ぬえ)」や「小豆洗い」など動物のたてる音や気配から生まれた妖怪もいます。
今回は、ヤマドリやネズミ、イワナやイモリなど、妖怪としてあまり知られていない動物も取り上げました。調べてみると妖怪と関連のない動物はいないと思えるほど、じつにさまざまな動物が妖怪として描かれているのです。 その描かれ方も、動物の実際の姿形やくらしから見てみると、なるほど!と思うことが多く、妖怪を生み出した昔の人々の鋭い観察眼や豊かな感性を感じることができます。
妖怪の存在は、日本人が自然や動物に恐れや敬意をいだきつつ、ともにくらしてきた歴史の証なのです。
さて今回、特に注目して欲しいのは「日本の動物と妖怪」ブックです。クイズの対象となっている動物の妖怪10種を、天野行雄さん(妖怪造形家)による味わいのあるイラストと、職員による動物の形態や生態からみた妖怪の解説で紹介しています。さらに身近な妖怪を紹介する「ご近所妖怪図鑑」の付録付き! 家に持ち帰ってゆっくりと読んでいただけたらと思います。
ゴールした方には、「もののけ目がね」ポストカードをプレゼント。のぞいてみるといつもと違う世界が見える目がねです。
この夏は、妖怪と動物の世界をのぞいてみましょう。妖怪を感じる心が失われつつある今、井の頭自然文化園で再び妖怪に出会えるかもしれません。
写真上:ラリーブック
写真中:ブックの内容
写真下:動物を観察してクイズに挑戦
〔井の頭自然文化園教育普及係 天野未知〕
(2010年07月23日)