井の頭自然文化園水生物館では、多くの人に井の頭池の現状を知ってもらい、その環境を少しずつでもよくしていきたいと考え、井の頭池をテーマにした特設展示を毎年開催しています。
むかしの井の頭池は、豊富な湧き水に支えられ、水は澄みきっていて、水草や水生昆虫の宝庫でした。しかし、今の井の頭池は、いつもにごっていて、水中のようすはよく見えません。水草は絶滅し、かつて見られた水生昆虫や魚類のほとんどは姿を消し、今ではコイ、ブルーギル、オオクチバス、ミシシッピアカミミガメなど、あとになって持ち込まれた生き物ばかりが目につきます。
昨年(2008年)、来園者を対象に実施した「井の頭池の理想像に関するアンケート」の結果、多くの方はきれいな水、そして植物におおわれた自然な雰囲気や景観を望み、その中でゆったりとくつろぐたいと考えていることがわかりました(アンケート結果の一部を右に示しました)。
特設展示では、井の頭池のむかしと今のようすを展示するとともに、変わってしまった原因を解説し、アンケートの集計結果をまとめ、多くの方が望む理想像へ向けてどんな対策が考えられるか、みなさんが日常生活の中で井の頭池のために何ができるかについて、パネルで説明しています。
水草は、水を浄化するすぐれた能力をもっています。会場には、その効果が一目でわかるような水槽を展示しました。池からくんできた水を水槽に入れ、その水槽から、「水草の入った水槽」と「水草のない水槽」に水が流れていきます。その結果、どれだけ水の状態がちがうか、実際にごらんください(写真)。
このほか、むかしの池で見られたムサシトミヨやタガメ、今の池で見られるカミツキガメやブルーギルなどを展示しています。開催期間は、
2010年2月7日(日)までです。
井の頭池の理想像に少しずつでも近づけるために、もっとも重要な対策として、水生植物を増やしていくことが考えられます。ほとんどすべての岸が垂直で、コンクリートなどで固められている現状をなんとかしないといけません。
井の頭自然文化園では今年度中に、水生物館テラス前の井の頭池岸に試験的に浅瀬を造成する予定です。
会期 2009年10月10日(土)~2010年2月7日(日)
※特設展示「井の頭池のためにできること」
PDFチラシ(約410KB)
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 荒井寛〕
(2009年10月30日)