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餌やりタイムに慣れたハクビシンたち
 └─上野  2008/02/15

 ハクビシンが上野動物園の子ども動物園にある「なかよし広場」にデビューしてから1か月が過ぎました。以前のニュースはこちらです。

動画ニュースはこちら

 このところ寒い日が続き、都心でも何度か雪が降りました。雪の日はさすがにハクビシンも一日中寝小屋で過ごし、外へは出てきませんでしたが、新しい環境に慣れた彼らは、ずいぶん活発な動きを見せてくれるようになりました。

 今、午前11時ごろと午後1時ごろの1日2回、餌をやっています。以前は餌で誘っても、夕方になるまで寝小屋から出てこなかったのですが、少しずつ時間を早めていくと、今ではこちらの思惑通り、寝ているときでも餌を差し出せば、すぐ出てくるようになりました。

 高い枝にも躊躇せず登り、ぶらさげたロープをたくし上げ、その先にある餌たいらげます。餌が足りない!と言わんばかりに、すでに餌のなくなったロープを持ち上げること数回……。本当にもう餌がないことを確認するまであきらめません。

 最近はロープをたくし上げる動作も板につき、簡単にこなせるようになっので、担当者としては喜ばしい反面少しつまらないわけです。ハクビシンの能力を最大限見ていただこうと、ロープを長くしたり、つかみづらい細いテグスかえたりしています。いじわるでやっているわけではありません。ハクビシンが一生懸命知恵をしぼり、体全体を伸ばして餌を取ろうとするすがたや、失敗しながらも諦めないすがたは、見ていて応援したくなるほどです。見ているお客さんの中からは笑いもおこりますが、「がんばれー!」という応援の声も聞こえてきます。

 餌を簡単にとれないようにしても、ハクビシンはちゃんと方法を見つけます。もはや担当者とハクビシンの知恵くらべのような毎日ですが、ハクビシンが苦労の末に餌を手に入れるすがたを見るのは、やっぱり嬉しいものです。

 現在、ハクビシンはオス2頭とメス1頭の3頭がいます。以前はオスの「タカ」だけが活躍していましたが、最近はオスの「マム」も、下の枝にぶらさげた餌を取るようになりました。最後の1頭、メスの「ミニ」が現われるようになるまで、あともう少しです。これからも、もっとおもしろい行動が引き出せるよう、工夫していきたいと思います。

〔上野動物園子ども動物園係 鈴木里美〕

(2008年02月15日)



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