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子ども動物園にハクビシン登場!
 └─上野  2008/01/18

 上野動物園の子ども動物園にある「なかよし広場」に、新しい動物が3頭加わりました。ネコのような、タヌキのような体つき。ひたいから鼻にかけて白い筋が通っていることからついた名前が「白鼻芯」、つまり、ハクビシンです。

 ハクビシンは日本にいる唯一のジャコウネコ科の動物で、昔から日本にいた動物なのか、それとも外から入って来た動物なのか、はっきりしません。ハクビシンが日本で発見されたのは1940年ごろ。四国、山梨、静岡、福島で見つかりました。今では生息分布を広げ、上野公園でも目撃されています。

 ハクビシンは田畑を荒らす害獣として駆除の対象にもなっている動物ですが、かわいい顔をした動物です。足は短めですが、木登りは大得意。展示場に出した当初、中に生えている樹のかげで3頭寄りそってじっとしていましたが、夕方になると活発に動き出し、いちばん高い枝の先まで難なくのぼっていきました。

 夜行性の動物なので、昼間はほとんど寝ています。なかなか動いている姿が見られないかもしれませんが、現在、餌やりの時間を決め、みなさんにごらんいただけるようトレーニングをしています。

 トレーニングといっても、大好きなバナナなどを使って、寝ているところを誘い出すといった段階。しかし、食い気より眠気(?)がまさるのか、展示場内の安心できる物かげから出ようとしません。

 それでも担当者は根気よく、手を変え品を変えながらトレーニングを続けています。そして先日、とうとう誘い出すことに成功! また、ロープの端にバナナをつけて、いちばん高い枝にぶらさげておいたのですが、ハクビシンはロープをたぐり上げてバナナを食べたのです。

 ただし、餌を食べたのはお客さんのいなくなった時間帯で、夜行性のハクビシンが活動を始めるころでした。トレーニングに成功したのはまだ1頭だけですが、3頭すべてが活動しているところをごらんいただこうと、工夫しながら奮闘しています。

〔上野動物園子ども動物園係 鈴木里美〕

(2008年01月18日)



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