３万５千種以上もいるというクモの中で、水中でくらすのが「ミズグモ」。こんな生活をおくるクモは、世界でもミズグモ以外に知られていません。これまでにもお知らせしたとおり、井の頭自然文化園では昨年（2006年）７月からミズグモの飼育と展示に取り組んできました。

　この間、ミズグモたちは安定して増え、一年をとおして展示することができるようになりました。2006年に北海道から入手した個体は13匹でしたが、その子どもと孫世代を含め、総計約 100個体に増えました。現在、４～８匹を展示しています。

　ミズグモは水中に「泡」を作り、そこを利用して生活します。ヨーロッパから日本にかけて分布していますが、日本国内では北海道以外ではほとんど見られません。国内での展示例はほとんどなく、生態についての報告や繁殖例も見あたりません。常設展示をしているのは、世界でも当園だけではないかと思われます。ぜひ、この貴重なミズグモをごらんください。

・2006年８月のニュース「水中建築家ミズグモ」

・2006年７月撮影の動画「水中で生活するミズグモ」

・「水グモもんもん」の上映会

　井の頭自然文化園の近くにある三鷹の森ジブリ美術館で、ミズグモが主人公のアニメーション映画「水グモもんもん」（2006年、宮崎駿監督作品）が上映されます。上映期間は2007年８月１日（水）から８月31日（金）まで。

　三鷹の森ジブリ美術館（火曜休館）の入場は日時指定の予約制で、チケットは毎月10日より、翌１か月分を全国のローソンにて販売しています。くわしくは、同美術館のサイトをごらんください。

（2007年７月27日）